緊張性頭痛とリハビリ

 緊張性頭痛では頭が締め付けられる、圧迫されるような痛みが後頭部を中心に首筋や側頭部にかけて生じます。主に頭から肩にかけての筋肉の凝り精神的ストレスによるものと考えられています。

 長時間同じ姿勢をとる、猫背、精神的なストレスで筋肉が常に緊張している状態が続くことで首や肩の筋肉、頭蓋骨を覆う筋肉の血流が悪くなり発症するとされています。人によってはめまいが合併することもあります。

 デスクワークなど長時間パソコンをいじるような職業では特に首や肩周りの血行障害が起こりやすいため、緊張性頭痛が出現しやすいと言われています。

 筋肉は伸びたり縮んだりすることでポンプとなり筋肉内の血流を促します。しかし、長時間同じ姿勢でいると、姿勢を保つための筋肉が持続的に縮んでいるため、筋肉内の圧が上昇し静脈が圧迫を受け血流障害が起こります。

 その結果、痛みや凝りに繋がってしまいます。

 長時間同じ姿勢でいるときは、頭と体の中心の軸をできるだけ近づけ首が前に出すぎないようにし、筋肉の負担を最小限に抑えることが大切です。また、適宜姿勢を変えることが予防には有効です。最低でも20~30分に1回は体を動かすのがいいでしょう。

 このような頭痛では、お風呂や温めたタオルなどで首や全身を温め血流の改善を促すことが効果的とされています。また、首や肩周り、可能なら全身のストレッチを行い筋肉の柔軟性を上げることも大切です。慢性的な症状の場合は肩こりや首の痛みも同時に併発していることが多いため、首や体幹の筋トレもおすすめしています。

 ストレッチは40秒間行うことで、ストレッチ後の筋肉の血流量は安静時の約3倍まで増加するという報告があります。1)

 また、精神的なストレスも頭痛に大きな影響を与えます。ストレスは交感神経を興奮させ、交感神経の興奮は筋肉や血管を収縮させ血流量の低下に繋がります。睡眠の質も下がり身体がリラックスできないため悪循環に繋がります。実際に、ストレスの原因となっていた仕事を転職することで、頭痛の軽減に繋がった方もいらっしゃいます。

 頭痛だからといって軽く見ず、頭痛でお悩みの方は、ぜひ一度受診をおすすめします。必要であれば、その方に合ったリハビリを理学療法士が指導させていただきます。

参考 1)ストレッチ運動における血流変化